ギャップを埋める:駐車場事業者と自動車メーカーが協力する方法

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現在および将来のコネクテッドカーが今日の駐車場インフラとどのように相互作用するかを理解するという点で、駐車場事業者(都市、大学、空港、民間事業者など)と自動車メーカーの間には現在ギャップがあります。このギャップの原因となっている要因はいくつかありますが、駐車場業界に影響を与えている、より重要な要因の1つは、駐車場に関連する車載接続サービスの展開タイムラインです。  

発表されている生産プログラムに基づくと、北米におけるコネクテッドカーの割合は2019年現在で50%となっており、駐車場関連のコンテンツを車両内に組み込んでいる車両はごく一部にとどまっています。しかし、今後5年間で、車道を走るコネクテッドカーの数は前年比で大幅に増加すると予測されています。2024年末までには、コネクテッドカーの市場浸透率は、全乗用車販売台数の95%に近づくと予想され、駐車場コンテンツが組み込まれた車は50%を超えると予想されています。 

コネクテッドカーの成長が予想されているにもかかわらず、駐車場事業者にとっては、新しいタイプのドライブエクスペリエンスおよびパーキングエクスペリエンスに備えることが難しいのは当然のことです。というのも、こうした新車の種類は、さまざまな国籍の自動車メーカーが数十億ドル規模をかけて、いまだ開発が進められている最中だからです。しかし、一つ確かなことは、自動車メーカーがコネクテッドサービスに何百万ドルもの投資をしていると言う事実です。そして、「駐車」とは、ドライバーのエンゲージメントとエクスペリエンスを向上させるために自動車メーカーが活用しようとしている重要な機能であるということです。こうしたサービスがオンラインで提供されるようになると、駐車場業界にとって重要なのは、コネクテッドカーが駐車場を検索し、ナビゲートし、駐車料金の支払いをする能力をサポートするために、自社の業務の中で現在何ができるかを把握することです。 

Parkopediaは最近、『ドライバーの将来の欲求とニーズに関する調査』を実施し、駐車場との関連性や車がドライバーに代わって行うことができる意思決定の水準を調査しました。回答者の半数以上(54%)が、目的地に近い駐車場があると思われる場所にナビゲーションシステムが自動的に案内してくれるようにしてほしいと回答しています。同程度の数(51%)の回答者が、ナビゲーションシステムにパーソナライズされた駐車場のお勧めをしてほしいと回答しています。高さ制限や障害者用駐車場の有無、EV充電など、個々のドライバーにとって重要度の高い駐車料金や距離以外の基準がロングテールになっていることを考えれば、当然といえば当然です。

これだけ多くの予想される制御が車に引き渡される中では、駐車場事業者は、コネクテッドカーとそのドライバーをサポートする機会を最大限に活用する計画を策定することが不可欠です。これは3つの方法で達成可能です。

  1. データの民主化:消費者は、場所、価格、電気自動車の充電ポイントを含む施設情報、利用可能性などの詳細までの、信頼性の高い正確な情報を必要としています。自動車メーカーはすでにParkopediaやその他の類似の企業から得たデータを連携して、車中のドライバーがこのデータを利用できるようにしています。静的データおよび動的な位置データをデジタル化するために必要なステップを取ることで、組み込みナビゲーションシステム、モバイルアプリケーション、および駐車場の位置データアグリゲータを使用して、何百万人ものドライバーにコンテンツを共有できるようになります。 
  2. 複数の資格情報のサポート:駐車場業界では標準化される可能性は低いですが、自動車メーカーは車両やドライバーがゲートアームを作動させるためのいくつかの異なる方法を検討していると考えるのが無難でしょう。これには、ナンバープレート、ブルートゥース技術、RFIDなどの組み込み車両認証情報のサポートを含めることができます。その他の資格情報は、MercedesMeなどの自動車メーカーのモバイルコンパニオンアプリケーション内に埋め込まれている場合があり、これらの資格情報には、bluetoothだけでなく、QRコードやバーコードのサポートも含まれます。  今後の展望として、駐車場でゲートアームを使用してアクセスを制御する必要がある場合、駐車場事業者はシームレスなパーキングエクスペリエンスを保証するために、コネクテッドビークルネットワークとの相互作用を最大限に柔軟に行うことができるテクノロジー事業者を検討する必要があります。

  3. オープンマインドな決済:自動車メーカーは、車両のエコシステム内の単一の「パーキング」用アプリケーションを介して、ドライバーにユビキタスなトランザクションエクスペリエンス(決済の体験)を提供したいと考えています。こうしたメーカーには、世界規模または地域規模で何十社もある決済サービス事業者との連携を管理したいという要望はなく、またはそのための処理能力がありません。Parkopediaの顧客は、例えば複数の支払い方法を連携して、それぞれの地域全体でドライバーに完全なカバー範囲を提供する能力があるサービス事業者を探しています。 

駐車場の専門家として、私たちは数十億ドル規模の業界が、ドライバーの駐車場探し、移動、支払い方法を変えようとしているという事実を意識する必要があります。これは必然的に、私たちが運営を管理する方法を変えるだけでなく、可能な限り最高のパーキングエクスペリエンスを確保するための技術を選択することにつながります。したがって、コネクテッドビークルが駐車行動にどのような影響を与えるかに関して、オープンマインドな姿勢を維持し、それに応じた準備をする駐車場事業者は、顧客を自社の物件に誘導できる最適な立場にあります。

この記事はIPMIの『パーキングとモビリティ』誌2020年1月号に掲載されました。

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